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ミッドナイト清純異性交遊(16)

先輩のメンヘラが加速していく。鍵アカになってほとんどのフォロワーを外したツイッターでは、怒り狂ったかと思えば絶望し、泣いてるかと思えば笑顔笑顔と、どこかの自己啓発書から借りてきたようなポジティブを貼り付けて前向きを装っている。 当然のことながら、靴下の画像は上げなくなった。それどころか、どんな些細な画像も上げないし、いままでツイッタ

ミッドナイト清純異性交遊(15)

待ち合わせをすっぽかしたにもかかわらず、先輩はチャカおを責めなかった。妹が迎えに来てしまったから、そのままバスに乗ってしまったと、あの日バスに乗りながら私が言い訳しておいたからだ。『バスの中から君を見たよ。靴下を見なくてもわかった。覚悟してたけど、きれいだった。それで覚悟なんかできていなかったってわかったんだ。僕は猟師なんかじゃな

ミッドナイト清純異性交遊(14)

日没が早い。そのうち昼なんて概念がなくなるんじゃないかと思えるくらい、すぐに暗くなってしまう。茜色は一瞬で、廊下はすぐに冷たい深緑に沈んだ。 音楽室の近くの階段の、屋上へ続く踊り場で私は待ちぼうけていた。かすかに聞こえてくるメロディーに、サックスの音を探す。 練習が終わると、部員たちがちらほらと階下に姿を現し、消えていった。練習帰りに

ミッドナイト清純異性交遊(13)

どんな時間に乗っても満員になることのない電車の車窓から、黄金色の田園を眺める。県境のこの辺りは、田舎を押しつけ合うように見事に田んぼしかない。 待ち合わせをしているのは私ではないのに、洋服にアイロンをかけ、不慣れなメイクで顔面を取り繕い、ましな下着を身につけて、予定より二時間も早く家を出た。「デート?」と訊いてきた母に、肩をすくめて

ミッドナイト清純異性交遊(12)

愛梨は驚いたことに、相当なショックを受けていたらしい。どの言葉が刺さったのか、刺した本人にはまるで手応えがない。 いつものように音楽室に向かう愛梨に声をかけると、あからさまにスルーされた。早足になって距離をとる彼女を追いかけるほど、私は無粋ではない。 おかげで音楽室に入る理由を失ってしまった。吹奏楽部の演奏が好きだから、というのは苦し